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2008.09.09 *Tue

愛しキミへ 番外編

愛しキミへの番外。
侑妃が椿ちゃんと再会したら~編です。
まだ公開してない次の話のネタばれが少しだけ含まれてるので、それでも構わない方だけどうぞー。
ちなみに未登場キャラが一人だけいます。

***
あたしには中学の時親友と呼べる友達が一人いた。
キラキラと光に反射して輝く蜂蜜色の髪の毛に青いビー玉のような眼をもつその子。
家業が家業なためにまともに友達すら作れなかったあたしにとって、初めて友達と呼ぶことができたその子は、中学校の時に起きた“あること”が切欠でどこか別の学校に転校していった。

あの子は、あたしの手紙ちゃんと読んだのかな。





「椿ちゃん!待ってください~」
「…はぁ。わかったから、走らなくていいから。お願いだから転ばないで、夜衣(やえ)」

小走りでこちらに向かって走ってくる女の子に向かって注意をする、が。

「きゃっ‥わわ!」
「ばかっ――!」

かくん、と彼女の体が勢いよく傾いた。
走っても間に合わない!そう椿が思ったとき

「ぅおっ?!危なかった~」
「間一髪だったねー」
「ナイスキャッチ、國村」
「へへんっ見たか俺の力!」
「はいはい、調子に乗らないで晴爾。ウザいから」
「ウザいってなんだー!」
「そういうところがウザい」
「星野さん‥俺もう立ち直れないかもしれない‥」
「侑妃ちゃんはいつでも素直だからね!」
「ガーン!星野さんまで…」
「‥負けるな國村」

夜衣を助けてくれた青年とその友人と思しき3人の女の子たちは夜衣の存在を忘れてまるで漫才のような会話を繰り広げている。
突然のことに呆然となっていた椿はその中にかつての友人とかぶる色を見つけて思わず息をのんだ。
彼女はこちらに背を向けていてその後ろ姿しか椿からは見えないが、彼女の髪の色は金色――。


「それよりも、大丈夫?夜衣ちゃん」
「‥ぁ、ら?侑妃ちゃん?」
「そー。夜衣ちゃん、もう少し足もとに気をつけようね」
「これでも気をつけてるつもりですのに‥。あ、そう言えば椿ちゃんは、」

夜衣が青年の腕から立ち上がり、こちらを振り向く。それにつられるようにして金髪の彼女も振り向いた。
金色の髪の毛が風に舞い上がる。見開かれる青い瞳。

忘れるはずもない、忘れられるはずもなかった。

「つ、ばき?」
「‥侑妃」

今の侑妃はあの頃よりも背が高くなって、長かった髪の毛はショートカットになっていた。




***




一ノ宮の別邸に帰ってきた侑妃は椿と顔をつき合わせて座っていた。
お互い無言の状態が続く。二人とは別の所に座っている晴爾たち3人は少しだけハラハラしながらその様子を見守っている。
ただ夜衣だけがのんびりと出された紅茶に口をつけているが。そんな夜衣を見た柚夜は思い出したように首をかしげた。

「そういえば、夜衣‥さん?侑妃とは知り合いみたいだけど…」
「あ、はい。申し遅れました。私は一ノ宮夜衣と申します。よろしくお願いします」

ぺこりと頭を下げた夜衣に晴爾たちも自己紹介をし始める。
落ち着いたところで華夜が質問した。

「一ノ宮ということは、夜衣ちゃんは燎さんと関係があるの?」
「はい。燎兄さんは私の従兄妹に当たります。それで以前こちらに伺ったときに侑妃ちゃんとお会いしたんです」
「國村も燎さんの従弟じゃなかったっけ?」
「俺は燎さんの母方の方だから。夜衣さんは父方の親戚だろ?」
「ええ。私の母が燎兄さんのお父様の妹なんですよ」

なるほど。と3人が納得していたころ、侑妃と椿はというと

「…」
「……」

未だ沈黙。
が、しかし先に沈黙を破ったのは耐えきれなくなった侑妃であった。

「あの、椿…?」

恐る恐るといった風に、黙ったままの椿に声をかける。
その瞬間椿が動いた。

「っ侑妃の‥バカたれー!」
「ぃっっ!」

バシィンとものすごい音が室内に響く。
叩かれた侑妃も見守っていた4人――のんびり紅茶を飲んでいた夜衣でさえ――も目が点になるほど。
叩いた本人の椿は顔をゆがませていたけれど。

「つ、つばきさん…?」
「侑妃の馬鹿!あほ!おたんこなす!あんぽんたん!なんで…っ!」

思いつく限りの罵声を浴びせる。腫れて赤くなった部分が侑妃の白い肌で余計に目立って見えて、叩いてしまったことに後悔を覚えるがそれでも椿の口は止まらなかった。
それどころか泣くつもりではなかったのに涙さえ溜まる始末。侑妃に向かって叫ぶ自分を椿は頭の片隅で客観的に見つめながら最悪だと思った。
もし再び会えたら、ちゃんと笑って「元気だった?」などと訊くつもりだったのに。こんな風に叫んで、泣いてしまう予定ではなかった。
泣き顔を隠すように手の中に埋めてさらに言葉を続ける。くぐもっていたけれど侑妃にはその言葉がちゃんと届いた。
胸を突き刺す、その言葉。

「なんで一度も会ってくれなかったの…!」

だって。

だって、あの時あなたに会っていたら、わたしが椿さえも信じられなくなっていたことを、あなたは見抜いていたでしょう?
それが怖かったから。あなたを傷つけたくなかったから。
‥でも結局、わたしはあなたを傷つけていたんだよね、椿。

「あんたがあたしすらも信じられなくなってたことくらい、あたしにはわかってたよ‥っ」
「うん…。ごめん、椿」
「っていうか信じてくれなくてもずっと友達だって思ってるって手紙に書いたでしょーが!ちゃんと読んだわけ?!」
「うん」
「それなら返事くらい返せ!心配したんだから~!侑妃の馬鹿!あほ!まぬけー!どうせあたしに会わす顔がないとか思って勝手に引き籠ったんでしょ!」
「どっ、どうしてそれを‥!」
「侑妃の考えることなんかお見通しよ。たった1年半の付き合いだったけどね!」
「うぅっ…ごめんなさい…」

項垂れる侑妃に椿のお説教がその後約10分間続いた。



「…ちゃんと元気にしてたの?」

落ち着きを取り戻した椿が頬を冷やしている侑妃をじっと見つめる。
時折その瞳に罪悪感が見え隠れしているのに気がついて侑妃は思わず苦笑した。
そして椿は椿のままだったことに少なからず安心した。

「いちおう。あれから半年は不登校だったけど、今はもう大丈夫」
「そう。よかった‥」
「椿はどうなの?」
「あたしは元気も元気。家の方も相変わらず」
「神林くんは?」
「ヒロ?ヒロとは別の高校に行ってから会う機会減っちゃったんだよね~。それで、ちょっと聞いてよ侑妃!この間会ったらあいつ更に無表情に磨きがかかっててさ――」
「うん、うん」

楽しそうに会話を交わす侑妃と椿の二人。
彼女らをそばで見守っていた友人たち4人は漸く安心できたと息をつき、自分たちも会話に花を咲かすのであった。



覚えてない方のためにキャラ補足。
椿:椎堂椿。侑妃の中学校時代の親友。
ヒロ:神林浩人。椿の幼馴染で中学の事件の時に侑妃を椿とともに助けた。
CATEGORY :

COMMENT

椿との再会なんか見たいなぁ~。リクエストしちゃおうかな~。
でも、多忙な日々に追い討ちをかけるのはどうなんだ!?
と思っていたら、ひとつ前にあった!!!ありましたよ!!!!
この前着たときに、やった~!続編でてる!と思って嬉しくてそこしか目に入ってなかったことを少し後悔。落ちつけ、私。

でも、そのおかげで(!?)2日間楽しめました。
やっぱり感動です。仲良い友達でこんなに自分を思ってくれて何年もあってないのにそんなこと関係なくて、それでも心配して怒ってくれる・・・そんな人いるのかなぁ。いるといいなぁ。うん、きっといるよね!?
今回も楽しい時間をありがとうございました!!
2008/10/02(木) 09:37:55 | URL | なな #- [Edit
Σうぉうっ!?
コメントに気がつかなかった愚かな私を許してください‥orz

コメントありがとうございますー♪
データが死んで続きが書けなかったときに、なぜか書いてしまった一品です。
流れを読み直してふと椿と侑妃が出会ったらどうなるだろうな、と。
そして新キャラ(笑)いつか夜衣と椿の出会いもかけたらいいなと思ってます。
そして続きが早く更新できるように頑張ります。

侑妃を取り巻く友人関係はある意味私の願望も含まれてますが、きっとこんな友達もいるはずです。
読んでくださってありがとうございました!
2008/10/07(火) 01:51:12 | URL | 桐嶋カンナ #/QjCk4EU [Edit

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