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2007.09.20 *Thu

そばにいてほしい

久々小説です。
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貴方がいない夜。
何度眠れない夜を過ごしただろう。


そばにいてほしいの。


言えばきっと貴方の重荷になるであろう、その言葉は、




ずっと私の胸の中に。




















今日で3日目。けれどこんな思いをするのも、あと少しで終わり。
明後日には出張から彼が帰ってくる。
いつも彼と一緒に眠っているベッドに無造作に横になり私はそっと溜息をつく。

忙しい彼。出張で家を空けるなんてことは決して少なくはない。
出かける際には必ず私の頭をなでて、優しく笑って、「行ってきます」という彼。
その度に私は寂しさを胸の奥底に隠して、笑顔をなんとか作って、彼に抱きつくのだ。

彼のいない間、その温もりを忘れないように、と。







「…早く、会いたい」




1日目、2日目はまだベッドに彼の香りが残っていた。
だから彼はいないけれど、それでも彼の腕の中で眠っているような気分で眠れたのだ。

だけれど、残り香は2日の間に消えてしまった。






さびしい。









あいたい。














はやく、かえってきて。













ぎゅっと枕に顔を押し付ける。
涙で枕が湿っていくのがわかったけれど、とまらなかった。
彼を想えば想うほど、涙が溢れ出してくる。





「っ…さびしい、よ…」





早く帰ってきて。
貴方が傍にいないと、私は寂しすぎて死んでしまうかもしれない。


























「    」



泣いていたら、いつの間にか眠っていたようだ。
頬に温かい"何か"が触れているのに気づいた。
ぼんやりした頭でなんだろうと思っていた時、不意に誰かに名前を呼ばれた。

自然に瞼があがる。






きっと夢、だ。
私の目の前にはいつもと変わらない優しい笑みを浮かべている彼の姿。




帰ってくるのは明後日のはずでしょう?




…夢でもいい。
彼に逢えた。それだけが、ただ私にとっては嬉しかった。
だから思わず彼に腕を伸ばしてその手を握る。
彼も私の手を握り返してくれた。
その感触があまりにもリアルだったけれど、所詮これは私の弱い心が見せた幻。


夢なのだから、と今までずっと胸の奥深くに隠していたあの言葉を、私は彼に告げる。





「…そばにいて」





貴方がいない夜は、寂しくて眠れないの。


できればずっとそばにいてほしいの。




でもこれは私のわがままだから。




こんなわがまま言って、いつもお仕事で疲れて帰ってくるあなたを、困らせたくないの。


貴方が大好きだから、貴方に困った顔なんてさせたくないの。










でもね。
















本当は寂しくて、仕方がないの。














ほとんど独白に近い言葉を言い終えて口を閉じれば、先ほどまでの寂しさが蘇ってきて涙が一筋流れた。
けれどもそれは枕をぬらす前に、伸びてきた彼の指をぬらした。

温かい、彼の手。

そっと彼の顔を窺う。するとほのぐらい明かりに照らされた彼の嬉しそうな顔が見えた。




「僕も、君が傍にいないと駄目みたいだ」




なんて都合のいい夢。
でも、そんな思いも次の彼の言葉で崩れ去った。




「君のことだから、どうせ夢だとでも思ってるんだろう?――夢なんかじゃないよ」




そういって彼はそっとキスをふらせる。
額、瞼、頬、そして、唇。




そう。




とてもやさしい、キスの雨。






「……ほん、もの?」
「本物だよ。酷いなぁ、人を夢にしてくれちゃってさ。せっかく仕事を早く片付けて帰ってきたのに。



 でも、そのおかげで君の本音がきけた」



「…っ…!」




クスクスと笑う彼は、今ではもう夢には見えなくて。
耐えきれずに抱きついた。


ぎゅうっと、抱きついた先にはずっとずっと求めていた彼の温もり。


涙がこぼれるのを止められなかった。




「…寂しかった」
「僕も、君が傍にいなくて辛かった」




思わず口をついて出た本音。
けれどもう隠す必要はない。


おかげで彼の本音がきけたのだから。




「おかえりなさい」
「ただいま」














もう寂しくなんかないよ。
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